Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans

Aozora Bunko

「思ったとおりだ」ざっと眼をとおしてから、隼人はそう呟いた、「流罪になって来た者はみな死んでいる、いまいる住民の中には一人の罪人もいない」

部落で生れた子は、みな母親の名しか書いてなかった。父が罪人であるために、そうしたのだと思われるが、母親や娘に同名のものが少なくないため、親子、夫婦、姻戚のつながりがよくわからず、ぜんたいとして、男女関係の混乱していることが想像された。

――ちくしょう谷などと呼ばれるのは、そんなことも原因の一つだろうか。

隼人は肩を落した。押しのけようとして手を掛けた岩が、千貫もある巨巌だとわかったときのような、重くるしく、やりきれない気分におそわれたのであった。正内老人も、かれらを解放し新しい生活につかせることは「困難である」と云った。かれらが長い年月にわたって、人間ばなれのした生活をして来たとすれば、人間らしい生活におそれを感じるのは当然であろう。それなら、この部落で人間らしい生活をはじめさせるがいい、と隼人は思った。

「もしもそれが千貫もある巨巌で、人間の力では押しのけることができないとしたら」と彼は自分の手を見ながら云った、「鑿と槌とで、端から少しずつ欠いてゆくがいい、そのくらいの辛抱はできる筈じゃないか」