Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひとつみのきもの
一つ身の着物
壺井 栄
Lisez 一つ身の着物 (ひとつみのきもの) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 453 caractères · 11 écrans
」
「そうさ、ぽかっと男の子が出来るなんていいよ。」
「あんたも正子も、まるで棚の上の牡丹餅ぐらいに考えてるのね。」
「そう考えた方が楽しいよ。」
「おんぶするのは私ですからね。」
「そう深刻に考えるなよ。」
家へ帰ると正子は玄関の外で待ちうけていた。気が軽くなって私は思わず「ただいま。」と若々しくいった。
「さあさあ、右文ちゃん、お前さんのうちだよ。」
私の手は子育てになれた女の手つきをしておぶい紐を解いていた。するするとすべらせるようにして茶の間のまん中に坐らせると、赤ん坊は急におびえた声を出し両手をひろげて私にかじりついてきた。
「あ、よしよし、よしよし。」
抱きよせて背を撫でてやると、やっと安心したらしい。だが夫にも正子にもゆこうとしなかった。僅か三時間ほど馴染んだだけで、これだけの信頼を見せる右文の動作はいたく私の心をうった。部屋の隅で子守唄を歌ってやると、すぐ眠った。二十年ぶりの子守唄だった。それは正子に歌ってやったと同じ子守唄だった。正子がしのび足でうしろからそっとのぞいている。
「あしたになれば正子に馴れるよ。おっぱいをやったり、抱っこしたり、それを正子が受け持ったら、たちまち正子っ子になるわよ。