Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

そして鷹揚にうなずいて見せた。持っていた穂を田の中に投げると、小さい波紋の輪が稲の茎に切られながら、重なり合って広がって行った。

「ね、お百姓さんって、何時でもこの水の中に入って働くのねえ!」

「そうで御座います、お嬢さん。」

二つ三つ田を越したところで、丁度同じ年位の娘が頬かぶりの上に笠をかぶり、「もんぺい」をはいて、膝ッ切り埋って働いているのが見えた。顔に泥がハジけると、そのまま袖でぬぐっている。

「あれじゃ足も手も――身体も大変ね!」

「えええ、その何んでもないんで御座います。」――追従笑いをした。

「あたし学校の参考に稲を二、三本戴いて行きたいんですけれど……」

女房達が争って稲を取りにかかった。――吉本管理人は、これアうまい、と思った。

「矢張り何んてたって、大したもんだ。」

女房達は小腰をかがめながら、稲を差出した。令嬢は、「有難う。」と云いながら、フト差出された女達の手を見た。手? だが、それは手だろうか!――令嬢は「ま!」と云って、思わず手の甲で口を抑えた。

一通り田畑を見てしまうと、「いとも」満足の態で、一行は管理人の家へ引き上げた。

「伴さん」