Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans
洪水息んでノア牲を献って上帝に謝恩し、一同大いに悦ぶ最中に蛇来って約束通り人を求めて食わんという。ノアこの人少なに毎日一人ずつ取られては、たちまち人種が尽きると怒って、蛇を火に投じ悪臭大いに起ちて上帝を不快ならしめた。由って上帝風を起し蛇の尸灰を世界中へ吹き散らし、蚤その灰より生じて世界中の人の血を吸う。その分量を合計すればあたかも毎日一人ずつ食うに等しいから、ノアの契約は永く今までも履行され居る訳になると。
それから三河で伝うるは、蝮は魔虫で、柳かウツギの木で打ち殺すと立ちどころに何千匹となく現われ来ると(早川孝太郎氏説)。盛夏深山の渓水に、よく蝮が来て居る。それを打ち殺して、暫くして往き見ると、多分他の蝮が来て居るは予しばしば見た。紀州安堵峯辺でいう、栗鼠は獣中の山伏で魔法を知ると、これややもすれば樹枝に坐して手を拱し礼拝の態を為すに基づく。さて杣人一日山に入りて儲けなく、ちょっと入りて大儲けする事もあればこれも魔物なり。杣人山中で栗鼠に会うに、杣木片すなわち斧で木を伐った切屑また松毬を投げ付けると、魔物同士の衝突だからサア事だ、その辺一面栗鼠だらけになると。