Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こじょうのまひる
古城の真昼
野村 胡堂
Lisez 古城の真昼 (こじょうのまひる) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 644 caractères · 28 écrans
「コラ、何処へ行く」
身体が井戸から出ると、引上げた蜂屋の手をふりもぎって、早くも逃出そうとする兇漢を、小手を返して見事に石畳の上へ叩き付け、ガチリと手錠。
「騒ぐな」
凜とした叱咤の声、もう新聞記者蜂屋文太郎ではありません。
「みっちゃん……イヤ光子さんだっけ……君に解らないというのは、これだろう。もう猪は居ない。安心して井戸の側へ寄って、中をよく見るんだ」
生月駿三に招かれて、光子は近々と寄り添い乍ら、谷川の水の轟き落ちる井戸の中を覗きました。
「この井戸は一寸見ると、山上の城によくある隠井戸らしく見えるが、決してそうでは無い。水の手を断たれた時の用意の隠し井戸なら、こんな変な場所へ掘らずに、もっと浅くて水の出る場所を見付ける筈だ――いくら山城の井戸でもこんなに深くては物の役に立たない。みっちゃん、よく見るがいい。イヤ、光子さんと言うんだっけハッハッハハ」
からからと笑い乍ら、生月駿三は井戸へ落ちる水を加減してだんだんその量を少くし乍ら、
「夏至の正午……この意味がわからなければ、井戸の中へ三年籠って研究したって謎はとけない。夏至は言うまでもなく、一年で一番日の永い日だ。