Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

しかも、いとしい我子までも、何の罪もない茂までも、同じ憂き目に会わねばならぬのだ。

ほとんど三十分程も、とつおいつ、あわただしい思案を繰返していたが、外からは何の物音も、気配さえも聞こえては来ぬ。

戸外なれば、ひそかに光りのもれて来る、棺のふたの隙間も、今は一様に真暗で、すぐ目の前の茂の顔さえ、少しも見えぬ程だ。

いよいよそれときまった。このままじっとしていれば、親子もろ共、焼殺されてしまうばかりだ。もう便々と三谷の助けを待っている場合でない。彼は何か、よくよくの邪魔がは入って、ここへ来られなくなったのであろう。

「サ、茂ちゃん、構わないから、手足をバタバタやって、ありったけの声で呶鳴るのです。助けて下さいって」

「母さま、いいの?」

少年は継子の様におじけた声で聞き返した。きっと狐みたいな目をしていたことであろう。

「もう、お巡りさん、来ないの?」

アア、何ということだ。倭文子は、焼死の恐れに、現在の我身の境遇を胴忘れしてしまっていた。それを、六歳の幼児に教えられたのだ。

「いけません。いけません。声を出してはいけません」

世の中に、これ程つらい、苦しい立場がまたとあろうか。