Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
「アッ、唇のない男!」
恒川氏が、頓狂な声で叫んだ。
何が何だか、さっぱり分らぬ。まるで悪夢にうなされているような気持だ。警部は念の為に、懐中電燈をさしつけて、古井戸の底をのぞいて見た。唇のない怪物、畑柳庄蔵のふくれ上った死体は、ちゃんと元の場所に横わっている。
離魂病の様に、全く同じ怪物が二人現われたのだ。どちらが本物で、どちらが幽霊なのだ。
恒川氏にとって、こいつは、正しくいえば、第三番目の「唇のない男」であった。最初は、品川湾で焼け死んだ園田黒虹のかぶっていたろう製のお面、第二は今井戸の底に死んでいる畑柳庄蔵、そして、ここに第三の怪物がたたずんでいるのだ。
「すると、唇のない奴が、唇のない奴を殺したということになる訳ですが……」
彼は面食って明智の顔を見た。
「そうです。唇のない奴が、唇のない畑柳庄蔵を殺したのです。つまり、今度の事件には、二人の唇のない人物がいて、全く別の目的で、別の罪を犯していたのです。我々は今までそれを混同していた為めに、事件の真相をつかむことが出来なかったのです」
「そんなことが、こんなによく似た片輪者が、同じ事件に関係するなんて、余り馬鹿馬鹿しい偶然です」