Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

つまり、同じ唇のないお面が三つ製作されたのですか」

恒川氏は流石に急所を突く。

「ところが、僕の注文の外には、たった一つ作ったばかりなのです。僕もその点に気づいたものですから、全部のろう細工人を調べて見ましたが、外に同じようなお面を作った者は一人もありません」

「すると、僕が品川湾ではぎ取った、園田黒虹のかぶっていた、あの仮面が、即ち犯人の注文したものだということになりますね」

警部はふに落ぬ体で、明智の顔を見た。

「そうです。あの小説家は、犯人でなかったにも拘わらず、犯人の仮面をかぶっていたのです。そこに、真犯人の恐るべき欺まんが隠されているのです。しかし、そのことは、あとでゆっくりお話ししましょう」

明智は、そこで文代と小林に向き直り、

「君達つかれたでしょう。あちらで、着物を着換て、ゆっくりお休みなさい」

といった。

恒川氏は、その時、明智の目と文代の目とが、意味ありげに、パチパチとまぶたの合図を取かわしたように感じて、妙に思った。

文代と小林少年が、床の上げ板を元通りにして、物置を出て行くのを見送りながら、明智は、

「さて、お芝居の第三幕目ですが、それは、さい前もいった通り、口でお話しすれば分ることです。