Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
恒川氏は、この説明を聞いても、俄に信用する気にはならなかった。以前同じ建物の二階の書斎でも、同じ殺人事件が起り、犯人の出入が全く不可能に見えた実例があるからだ。
そこで、恒川氏は、自ら床をはい廻り、壁をさすり廻して、長い時間、綿密極まる調査をとげた。
天井にも壁にも床にも、隠し戸などは全くなかった。窓の鉄格子も、新に倭文子が取りつけた、頑丈極まるもので、何等の異常がなかった。
とすると、残るは入口のドアたった一つだ。お波が繰返し繰返し取調べられた。だが、彼女は断乎として前言をひるがえさなかった。
「そのドアは、私が部屋を出てから、あのことが起るまで、絶えず私の目の先にあったのです。いくらもうろくしても、そこを人が通るのを、見のがす筈はありません」
といい張った。
すると、犯人は空気のように、フワフワと形のない奴であったか。倭文子が自殺したのか、どちらかでなければならない。しかし、二つとも考えられぬ事だ。倭文子の傷は、どうしても自分では、つけられぬような個所にあった。
恒川氏は途方にくれた。そしてさっき病院で明智に頼まれたことを思い出した。
「そうだ、兎も角も、明智君に電話をかけよう」