Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
書生は、ガラスに顔をくっつけて、いつまでも覗いている。
「窓をあけて見たまえ」
下から斎藤老人が声をかけた。
「駄目ですよ。内側から締がしてある筈です」
書生がそういって、でも、念の為めに、ガラス戸を押上げて見ると、案外にも、何の手答えもなく、スルスルと開いた。
「オヤ、変だぞ」
書生は呟きながら、窓をまたいで、室内へ姿を消した。
下から見ていると、書生の入って行った窓だけが、まるで巨大な化物の口の様に、ポッカリと黒く開いているのが、何となく不気味であった。
下の一同は、一種の予感におびえながら、耳をすまして、黙り返っていた。
暫くすると、黒く開いた窓の中から、何ともいえぬ、まるで締め殺される様な「ギャーッ」という叫声が聞えて来た。
屈強の書生が、みじめな、鵞鳥の鳴声の様な、悲鳴を上げたのを聞くと、室内には、どの様に恐ろしいことが起っているのかと、斎藤老人を初め、ゾッとして、梯子を昇る勇気もなかった。
「オーイ、どうしたんだア」
下から別の書生が、大声に呶鳴った。
暫くは何の返事もなかったが、やがて、化物の口の様に見える、真黒な二階の窓へ、ボーッと白く書生の顔が現われた。