Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

先夜と全く同じことが起った。明智小五郎は、完全に消え失せてしまったのだ。

「三谷さん、三谷さん」

どこかで、呼ぶ声がした。キョロキョロ見廻していると、ポンポンと拍手の合図、それが確に、高いコンクリート塀の向側から響いて来る。

三谷は声のする個所に近づき、塀越しに伸び上る様にして、耳をすましていると、暫くは何も聞えなかったが、やがて、うしろの方で、カタンと妙な物音がした。

塀の向側へ注意を集めていたのに、反対に、うしろの道路に音がしたので、オヤッと思って、振返ると、これはどうだ。そこにヒョッコリ明智が立っているではないか。

三谷は狐につままれた様な顔をした。

ウラウラと晴渡った、昼日中、何とも解釈の出来ない、奇蹟が行われたのだ。日が照っている。明智の影が、黒々と地面に射している。夢でも幻でもないのだ。

「ハハハハハハハ」

明智は笑い出した。

「まだ分りませんか。ナアニ、馬鹿馬鹿しい様なトリックなんです。手品がすばらしければ、すばらしい程、その種は一向あっけないものですよ。あなたは錯覚にかかっているのです。現に見ていながら、気づかないのです」

三谷は眼を落して、何気なく明智の足元を見た。