Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおいはらふじんのたいつり

垢石釣游記

佐藤 垢石

Lisez 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 46 298 caractères · 100 écrans

Aozora Bunko

葵原夫人の鯛釣

一

二

一

葵原夫人は、素晴らしい意気込みである。頬に紅潮が漂って来た。

「では、いけませんか?」

と、念を押す。

「いけない、と言うことはありませんが、一体に婦人は舟に弱いものですからね」

「いえ、それでしたら御心配いりませんわ。私、もう五、六年も毎年葵原と一緒にヨットの練習をやっているんですもの――一度だって、眩ったこと御座いませんの――」

「それなら、いいですが」

「昨年の夏は、品川から三崎まで遠乗りしましたわ。ちゃんと、度胸が据わってます」

「大したものですな――しかし、葵原君が同意するかどうか?」

「ところがですわ、今朝お前がやって見たいと言うなら、行ってお願いして見なさい、と言って葵原の方から私に勧めたような訳で御座いますわ」

「そうでしたら、構いませんが……」

が、しかし、時化を食った白波の海の真ン中で、婦人が船眩いに苦しむ、ぐったりとした姿を想像して見た。これは、自分が苦しむより以上、悩ましきものであると思った。

「では、御供させて戴けるんですか?」

「それ程、御熱心なら……」

二

婦人として、曾て試みた者はないであろうと思う、沖の大鯛釣へ葵原夫人は、連れて行って呉れと言うのである。