Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よるのこうず

夜の構図

織田 作之助

Lisez 夜の構図 (よるのこうず) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 068 caractères · 125 écrans

Aozora Bunko

第十章

「あんまり何々すぎる」例えば、異色があるにしても、あんまり異色がありすぎる。

「予備知識はもう充分でしょう。さア、どうぞ女房がお待ちしておりますよ」

「じゃ……」

と、信吉は新内語りと別れて歩きだしたが、すぐその足で第一ホテルへ行こうとはしなかった。

江口冴子の楽屋へ行かねばならない。

第十章

信吉が内気であるということ。

冴子の鏡台の横に聖書があったこと。

冴子が不幸の小石を蹴ること。

楽屋口のエレヴェーターで三階まで上ると、信吉は一部屋、一部屋、俳優の名札を見上げて行った。

江口冴子の部屋は右の奥にあった。

江口冴子の部屋――といったが、しかし彼女ひとりで占領しているわけでなく、ほかに四五人の女優の名札が掛っていた。

しかし、その女優たちは舞台へ出ているのか、暖簾をあげて覗くと、鏡台――といっても、棚の上にのせられるような小型の鏡だが――の前に、冴子ひとり田舎娘の扮装のまましょぼんと坐ってるだけだった。

「あら」

と、振り向いた。

「はいってもいいですか」

冴子ひとりだと思うと、信吉の声はいそいそと弾んだ。

「どうぞ」

信吉は立ったまま、手を使わずに靴をぬいだ。