Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lisez 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 314 caractères · 398 écrans
お松は次の間の私々話をいやでも立聞きしなければ済まないことになったので、息を殺していると芹沢は、
「いよいよ近藤を片づけたら、次には君に引出物がある」
「引出物とは何だ」
「兵馬の首だ、宇津木兵馬の首を拙者が手で取ってやる」
「兵馬――なんの」
芹沢でない一人は、冷やかに言い切った。
「君は兵馬を小倅と侮っているが、なかなかそうでないぞ、あれほどに腕の立つ奴は、新撰組にも幾人とない」
「…………」
「始終、君をつけ覘っている、兵馬一人ある以上は、君の身は危ない」
「今、どこにいる」
「つい、この近いところにいる」
広間の方で哄と喊声が起る。ここで二人の私話は紛れて聞えなかったが、暫くして、
「よし、やがて合図をする、相手が相手だからずいぶん抜からず」
芹沢はこう言って席を立とうとするらしい。
「念には及ばぬ」
やがて、刀を提げる音、サワサワと鳴る袴の音。
一旦立ち上った芹沢は、
「今いう御雪というのは、素敵な美人じゃ、近藤を片づけたら、君に取持とう、君も女房が死んで淋しかろうからな」
怖ろしい人々である。どうやら近藤勇を殺し、兵馬を殺し、近藤の思い者、御雪太夫を横取りする……お松はこの上もない恐ろしい相談を聞いてしまった。