Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lisez 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 349 705 caractères · 678 écrans
あのまた懸絶のところを、一人で降りて来る奴がある。あいつが、この鈴を鳴らしているのだ。
驚いた命知らずだが、なんにしてもこの鈴の音はいいな、何といういい音をさせる奴だろう。
咽喉の渇きを癒すことの代りに、耳の響によってうるおされた竜之助。その音に吸い入れられると共に、その物の影から目をはなすことではありません。
あ、坊主だ!
全く、命知らずの冒険とより見るほかはありません。あの清らかな鈴の音をさせつつ、あの懸崖絶壁を、ひとり、すがりつまろびつ下りて来る。その人は法師の姿であること紛れもなく、しかも、その法師の姿も人並よりはどう見てもずっと小ぶりな、痛々しい姿のものが、前に案内の者もなく、後ろに護衛のとももなく、一歩をあやまらば、この眼前にある骨灰の中へ、更に微塵を加えて落ち込むことがわかっているところへ、徐々として下りて来ることが明らかになりました。
竜之助は、自分の咽喉の焼けるのを忘れて、その小法師の大胆と、無智と、それより来る危険のほどを思わずにはおられません。
五十九
断崖絶壁から下りて来るところの小坊主の姿は、蟻のように、雪渓まで伝わって来たが、それから勾配の道をたどたどとこちらへ向いて来るのがよくわかります。