Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lisez 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 349 705 caractères · 678 écrans
六十二
六十二
船長室のデスクの上で、駒井甚三郎が一心に見つめているのは海図であるらしい。
駒井は海図を見つめた目をはなして、海を眺めようとして、その近いところに人の彳むのを見ました。その人はここまで来たけれども、駒井の熱心な研究ぶりに遠慮をして彳んでいたもののようです。そこで、駒井が窓を開いて言葉をかけました、
「お松さん、お入りなさい」
「お邪魔にはなりませんか」
「かまいません」
「でも、毎日、天気がよろしくて何よりでございます」
「全くそれが何よりです、この分では、目的地の石巻へ遅くも三日の後には着きます」
「左様でございますか、今はどの辺の海にいるのでございましょうね」
この時は、お松はもう船長室に入っていて、デスクの右の方の椅子へ腰をかけしめられていたのです。
「この図面をごらんなさい」
駒井は自分が今まで熱心に見ていた海図であろうところのものを、お松の前にさしつけました。
駒井は自分の研究事項に対しては、その人をさえ得れば非常に親切な開放心を持っていて、素人に向っても諄々として説くことを厭わない気風を持っている。そこで、お松の前に海図がつきつけられたけれど、ただそれだけでは、当人が当惑しているのを見てとって、言葉を添えました、