Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lisez 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 120 caractères · 516 écrans

Aozora Bunko

柄だけを洗っているのか、或いは中身の血のりでも落しているのか、そこは井戸側の蔭になって、よく見ることができませんけれども、やがて、すっくと立ち上って、両刀を小腋にして、憂鬱極まる面をうなだれて、悄々と縁側の方に歩んで行く姿を見ると、押せば倒れそうで、いかにも病み上りのような痛々しさで、さすがの米友が見てさえ、哀れを催すような姿なのであります。

「あいつは幽霊じゃねえのか知ら、どうもわからねえ」

そんな、やつやつしい姿で縁側のところまで辿りついた竜之助は、そこへ両刀をそっとさしおいて、日当りのよいところの縁側へ腰をかけました。だから、ちょうど、米友の覗いている節穴からは正面にその姿を見ることができます。その蒼白い面を、うつむきかげんに、見えない目で大地のどこやらを注視しながら、ホッと吐息をついている。その呼吸までが見るに堪えないほどの哀れさであるけれども、日の光は、うららかといっていいくらいのかがやいた色で、この人のすべてを照らしておりました。

「おや?」

この時に、また米友を驚かせたものがあります。それは、今まで自分の身の辺にいたムク犬が、いつのまにどこをくぐってか、もう庭の中へ入り込んでいて、しかも、極めて物慕わしげに、竜之助の傍へ寄って行くことであります。