Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lisez 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 120 caractères · 516 écrans
その傍若無人を憎まないわけにはゆかないのであります。
その翌日、米友は道庵先生の家の屋根の上の櫓へ上って見ました。なるほど、話に聞いた通り、道庵の屋敷の後ろと左右とは、目を驚かすばかり新築の家と庭とで囲まれていました。何の恨みあってのことか知らないが、これでは先生が癇癪を起すのももっともだと、米友にも頷かれたのであります。
鰡八というのはいったい何者であろうと米友は、その御殿の方を睨みつけましたけれど、その時は雨戸を締めきってありました。これはあの時の騒ぎから、ともかく道庵を手錠町内預けまでにしてしまったのだから、鰡八の方でも寝醒が悪く、多少謹慎しているものと思われます。
米友には、敢て金持だからといって特にそれを悪むようなことはありません。また身分の高い人だからといって、それを怖れるようなこともありません。恩も恨みもない鰡八だけれど、わが恩人である道庵を虐待して、手錠にまでしてしまった鰡八と思えば、無暗ににくらしくなってたまりませんでした。
道庵が鰡八に楯をつくのは、それはほんとうに業腹でやっているのだか、または面白半分でやっているのだかわからないのであります。