Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lisez 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 120 caractères · 516 écrans
何心なく歩いて来ると、佐久間町あたりへ出ました。ここで米友は去年のこと、こましゃくれた若い主人の忠作のために使い廻されて、飛び出したことを思い出しました。あの時の女主人は甲府へ行っているはずだけれど、あの若いこましゃくれた旦那はどうしているか、小癪にさわる奴だと今もそう思って通りました。
やがて昌平橋のあたりへ来ると、例の貧窮組の騒ぎに自分も煙に捲かれて、あとをついて歩いた光景を思い出しました。昌平橋も無意味に渡って、これもなんらの目的もなく柳原の土手の方へ向った時に、ここで変な女に呼び留められたことと、その女が自分の落した財布を拾っておいてくれたことを思い出しました。
「そうだ、あの女はお蝶と言ったっけ、あれでなかなか正直な女だ、あの女の親方という奴もなかなか親切な奴で、俺らを暫く世話をしてくれたんだ。ああして恩になったり、世話になったりしたところへ、江戸へ来てみれば面出しをしねえというのは義理が悪い。さて今日はこれから、あの家へ遊びに行ってやろうか知ら、本所の鐘撞堂で相模屋というんだ、よく覚えてらあ」
ここで米友の心持がようやく定まりました。