Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lisez 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 120 caractères · 516 écrans
ここへ来て、はじめて思い越すよう、伊勢から出て東海道を下る時、七里の渡しから浜松までの道中を、自分のために道案内してくれた不思議な犬があった。自分が全く明を失ったのは、あの犬と離れた後のことである。犬と離れて自分は、ある女の世話になって東海道を下ったが、あれから犬はどこへ行ったやら。いま出逢った犬が、どうもその犬であるような気がしてならぬ。
斬らんとして斬り損じたことが、今宵に限って、まだ疑問として残されていたけれど、それがために血に渇いている心の渇きは、癒されたものとは思われません。
犬と人とをもろともに橋の下へ斬り落して、いや、斬り損じて落して、直ぐに刃を納めて、橋上を西へ走りました。幸いにして橋番にも怪しまれずに、一気に広小路から元柳橋を越えて、ここの塀下に立ってみると、病み上りの身には、ほとんど堪え難い息切れがします。
しかし、ともかくここまで来たのは、これから河岸を新大橋へ廻って、新大橋を渡って、弥勒寺橋の長屋へ帰るつもりと思わねばなりません。けれどもそれはこのまま、すんなりとは帰れますまい。
市中の見廻りや辻番が怖いとならば、それは出て来た時も同じこと。