Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lisez 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 112 caractères · 362 écrans

Aozora Bunko

あなたは刀を使うことはお上手ですけれども、この短い針の折れ一本を、どうすることもできますまい。おお痛いこと、ヒリヒリと痛みます。それでもこの痛みはなんだかいい心持よ。もう一本、ここへ針を刺してみましょう、ようござんすか、あなた」

お銀様は、また一本の針をつまみ上げました。

その時に、土蔵の前の車井戸の輪がギーッと軋りました。誰か水を汲みに来たものと見えます。その車井戸がギーッと軋る音を聞くと、お銀様はゾッと身の毛をよだてました。お銀様は夜中に車井戸の軋る音を何よりも嫌います。その音がいやだから一旦はゾッとしたけれども、すぐにつまみ上げた第二本目の針を、なんの躊躇なく、ブツリと左の二の腕へ刺し込みました。真紅な血汐の粒がホロホロと湧き上りました。お銀様はそれをチクリチクリと深く刺し込みます。その度毎に少しずつこたえてゆく痛みが、なんともいえない快感を与えるものらしくあります。

その時、車井戸の音がまたキリキリと鳴りました。それと同時にけたたましい物音が、井戸側のあたりで起りました。

「おのれ夜中、人の住居をうかがうとは怪しからん奴じゃ、誰に頼まれて何しに来た、それを言わぬと、この井戸の中へ投げ込むからそう思え、さあ、誰に頼まれて何しに来た、真直ぐに言え」