Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lisez 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 112 caractères · 362 écrans
四
腰が砕け、砕けた腰がまた箝ると、揉手をして取りつき、右が入って抱き込んだかと思うと、勝手が悪いと見えて捲き直してみたり、諸差しになったから、もうこっちのものと思っている途端に、また自分の腰がグタグタと砕けて、力負けをしてしまったり、本人は一生懸命のつもりだろうが外目で見れば、屍骸を玩具にして四十八手のうらおもてを稽古しているようで、見られたものではありません。
けれども、この独り角力も、もうヘトヘトに疲れきって道庵は、屍骸の腋の下へ頭を突込んだかと思うと、やがてグウグウ鼾を立てて寝込んでしまいました。
四
一方、駒井甚三郎は、船宿の表の戸に突き当った物音を聞くと、沈着な人に似合わず、立ち上って、それを諫止しようとする寅吉に提灯をつけさせ、二階の梯子を下りて、表口の戸をあけて外へ出ました。戸をあけて一歩外へ出ると、紛として血の香いが鼻を撲ちます。
甚三郎が提灯を突きつけて見ると、つい土台石の下にのめっている一つの血腥い死骸があります。長い刀は一間ばかり前へ投げ出しているのに、左の手では手拭を当て、額をしっかりと押えて、その押えた手拭の下から血が滲み出して面を染めているから、その人相をさえしかと認めることはできないが、まさしく相当のさむらいであります。