Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lisez 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 83 234 caractères · 160 écrans

Aozora Bunko

風に云ったあとは、熱い溜息をつゞけざまに吹きかけたゞけであった。彼はひたすら髪の毛の上から両手で女の顔を押さえ、それを自分の顔の方へまともに向けて、美しいと云われる目鼻だちを見きわめようとしたが、顔と顔とをそんなに寄せつけても二人の間には濃い闇があって、何も見透せないのであった。でもそう云う風にして暫く一心に視つめていると、何となくぼうっと、ほのじろいものが幻のように見えて来る気がした。女はその間一と言も云わず、黙って平中のするなりにされていた。平中は女の顔じゅうを撫で廻して、その輪廓を触覚に依って想像しようとするのであったが、そうされても猶柔軟な胴をしな/\させつゝ、全く男のするなりにされているのは、無言のうちに何も彼も打ち任せているのだとしか思えなかった。が、女は男の身じろぎを感じると、急に何と思ったか、

「待って、………」

と云いながら体を引いた。

「………彼処の障子の懸金を掛けて来るのを忘れましたわ。ちょっと掛けて参りますわね」

「直ぐお戻りになるのでしょうね」

「えゝ直ぐ、………」

女が障子と云ったのは、今の世の襖のことで、隣の局との間仕切に締めてあるのを云うのであった。