Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
Lisez 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 840 caractères · 88 écrans
二の四
「その一言気にいった」
孫九郎の右側にいた男が、大きな声でこう喚いて、そして続けて喚いた。
「問答はやめて勝負をしよう、来い」
「そうこなくっちゃあいけねえ、男はあっさりするもんだ」泰三はにこにこと眼尻を下げて笑った。
「――だがおれはちょいと使いを済まして来る、なにひとっ走りだ、あっというまに帰って来るから」
「卑怯者、この期に及んで逃げる気か」
「そいつだけは心配するな、おれに限ってそんな勿体ないことはしないから、それだけは大丈夫だから待ってて呉れ、そこの原っぱだぞ、すぐ戻って来るからな」
そして泰三は満信家のほうへと喜び勇んで走っていった。
二の四
その夜の夕餉のとき、右衛門は頻りと泰三のほうへ眼をやった。泰三はいつもの席よりずっと下座へ寄って膳を置き、なにやら燈火を避けるような姿勢で、いやにこそこそと喰べている。……どうもおかしい、脇見もしないし話もしない、茶碗の中へ顔を伏せるようにして、肱を横へ張って、ぜんたいがなにか隠し立てをしているようなぐあいである。
「泰三、おまえどうかしたのか」
あまり腑におちないので、右衛門はとうとう堪りかねてそうきいた。