Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
Lisez 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 840 caractères · 88 écrans
三の三
三の三
世間の批評とか人の鑑識などというものは実に軽薄なものである。泰三が勤めだしてから二十日と経たないうちに、泰助の評判がめきめき善くなってきた。昼の蝋燭だの石仏だのと嘲笑した人々が、今では彼を認め、彼の人格を賞揚し始めさえした。
「やはりなんですな、同じ血筋といっても兄は兄、比べてみると格の違いというものは争えないものですな」
「沈着冷静、実にあの若さにしては珍しい老成ぶりです、能ある鷹は爪を隠す、石仏などと云われても馬耳東風と聞きながしていたところなど、実にあの若さにしては稀な風格と云うべきでしょう」
「私はあの人は禅学をやったと思うですな、それも曹洞の痛棒に敲きぬかれて、大悟の境を通過した人だと思うのですな」
こんなような評が、城の内外で頻りにとり交わされた。
だが云うまでもなく、この世評の変貌には由来するところの原因がある。それは泰三そのものであった、初め勘定奉行所の仕切方に勤めた彼は、十日めに納戸方へ転勤になり、そこから書院番、次に作事奉行書記と、三十日ばかりのあいだに四回も役目を転々した。……もちろん彼が希望したわけでもなし、また城代重臣が好んで命じたわけでもない。