Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
Lisez 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 840 caractères · 88 écrans
「いいえわかりません、わかる道理がありませんわ」津留はなお泣きながら、「――いま仰しゃることが本当なら、婿養子をお断わりになるわけがないじゃございませんの」
「これは驚いた、これはどうも、いや待って下さい、いいですか、私は貴女と結婚したいんですよ貴女と、そのほかの誰とも絶対に御免です、絶対に、それを貴女はこの家の婿養子になれと云う」
「だって泰三さまが、もし、わたくしをお好きなら、そうして下さる筈ですわ」
「では貴女は私に二重結婚をしろというわけですか」
「わかってますわ」津留はますます甘く、そして悲しげに泣く、「――あなたは津留を嫌ってらっしゃるんです、泰三さまはわたくしがお嫌いなんです」
「待って下さい、泣かないで下さい、もういちど云いますがね、私は貴女とだけ結婚したいんです、いいですか、貴女のほかには絶対に、わかりますか、絶対に貴女のほかには……」
廊下では右衛門が。――さっきの騒ぎで駆けつけたものだろう、――問答をそこまで聞いて首を振り、眉をしかめ、ふきげんな、おそろしく渋いような顔をして、絶望的に深い溜息をついて、そうして悄然と向うへ去っていった。