Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かいきよんじゅうめんそう

怪奇四十面相/宇宙怪人

江戸川 乱歩

Lisez 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 182 581 caractères · 364 écrans

Aozora Bunko

」

とつぜん、黒井博士が立ちどまって、あたりをながめました。

耳をすますと、島のまわりには、うちよせている波の音とちがった、ドドドド……という、きみの悪いひびきが、どこからか、聞こえてきます。巨大な怪物が、ほらあなから、はいだして、こちらへ、近づいてくるのではないでしょうか。

「なあに、おどろくことはないよ。あれが、ほらあなさ。」

さきにたつ若者が、こともなげに、いうのです。

「あれが、ほらあなだって? ほらあなから、あんな音がでるのかね。」

「そうじゃない。滝ですよ。滝が流れだしている音さ。」

ああ、なるほど、「ながるるなんだのおくへ」でした。ほらあなからは、涙が流れていなければなりません。つまり、水が流れていなければなりません。そうでなくては、あの暗号の文句と、合わないことになります。

それから、またしばらく、すすみますと、さきにたっていた若者が、とんきょうな声をたてました。

「ホーラ、あれが滝だよ。見えるだろう。ほらあなから、滝が流れているのが。」

岩かどを、ひとつまがると、はるかむこうに見あげるばかりの高いがけがそびえ、その下のほうに、大きなほらあなが、まっ黒な口をひらいているのが、見えました。