Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lisez 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 735 caractères · 290 écrans
馬車は煙のような土埃を上げて動きだした。そして、市街地から高原地帯の道へと、馬車は走っていった。
6
馬車が原始林帯に近づくにつれて、正勝は計画実現の手段について考えなければならなかった。
(馬車を谷底へひっくり返して紀久子と馬とを殺し、おれだけが生きて帰ったとしたら、すぐ疑られるに相違ないのだが)
それを考えると、正勝はどうしていいか分からなくなってくるのだった。
正勝は最初のうちは、自分の生命を懸けてこの計画を果たそうと思っていたのだった。生命を懸けてなら、二人を殺しておいて自分も死んでしまえばいいのだから、機会はいくらでもあった。しかし、それは考えてみると馬鹿らしいことだった。彼はしだいに、敬二郎と紀久子とを殺してしまったあとも、自分だけは安楽のうちに生きていたかった。彼はそれからというもの、絶えずその手段について考え、またいろいろの機会を狙った。しかし、正勝は容易にその適当な手段を思いつくことができなかった。そして、最後に思いついたのが、馭者台に熊の出る季節だからという口実で猟銃を横たえておき、敬二郎がそれに対する好奇心からその銃を取ろうとすると、引金に紐がかかっているため敬二郎の腋の下を貫き、紀久子の胸を貫くことになる計画だったのだけれど、それも見事失敗に終わってしまった。