Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うらみなきさつじん
恨なき殺人
宮島 資夫
Lisez 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) de 宮島 資夫 (みやじますけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 611 caractères · 56 écrans
尤もその原因は飲み過ぎや遊び過ぎにあったかも知れないが、その日は終日事務所で神妙に書類の整理をやっていた。夜も稀らしいほど早く寝た。
事実はこれだけのことであるのを、誰かが嘘を造って東京へ報告したものであろう。尤も彼がこんな目に会ったのは、これがはじめての事ではなかった。今までにもこう言う手段に乗せられて、自分の係長をなぐってしまってから、後で罪はその人にないのが解って、きまりの悪いのをこらえて謝罪ったこともあった。妙な風説を立てられた為めに、飯場頭に切られ損ねたことも、坑夫と喧嘩して、鍛冶場の火の中へ重なり合って転げ落ちたこともあった。
今度のことも恐らく誰かが、何かのためにこんな事を言ってやったのであろう。鉱主の怒るのも無理はないが自分のした事のために、年老いた母親まで引合いに出さなくとも好いことと思った。それは甚だしい侮辱だと思った。
その瞬間に彼は、辞職してすぐ東京へ帰ろうと思った。こんな小さな山の中で、仲間のアラを探し合ったり、中傷したり、それで足りずに嘘まで造って報告するような手合の中で、狭苦しい退屈な日を送っていることは、馬鹿げたことだと考えたからであった。