Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lisez 探偵夜話 (たんていやわ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 363 caractères · 277 écrans

Aozora Bunko

お金をやっても食べ物をやっても受け取らないで、ただ黙ってその魚をくれて行くのでした。それがじいやにはなんだか惨らしくも思われるので、叱ったり諭したりして、たびたび断わるのですけれど、どうしても肯きません。その娘の持って来た魚を、関井さんもはじめは喜んでたべたのですが、新しい奥さんが来てからは一切たべなくなりました。現にわたくしに御馳走してくれたフライの山女も、山窩の娘が持って来たのでないということをよく確かめてから、お料理に取りかかったくらいでした。

山窩の娘は殆んど毎日のようにじいやの小屋へ姿を見せていましたが、別に乱暴を働くわけでもなく、ただ黙って突っ立っているばかりでした。しかし不思議なことには、奥でピアノの音がきこえると、それをじっと聴いているうちに、なんだか眼の色が怪しくかがやいて来て、一度はそこにある枯枝をつかみ出して行って、奥の縁側へだしぬけに投げ込んだことがありました。その以来、この官舎でピアノの音は絶えてしまったそうです。

それらの事情からかんがえると、殊にその兇器を小屋の中から持ち出したのをみると、奥さんを殺した犯人はどうも山窩の娘であるらしいと六助じいやは鑑定しているのでした。