Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lisez 探偵夜話 (たんていやわ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 363 caractères · 277 écrans

Aozora Bunko

「はは、いま時そんなことがあって堪まるものか。しかしあの尼が石地蔵に取っ付くというのは本当だ。いつかも話した通り、おれも確かに一度見とどけたことがある。」

いつかの話が裏書きされたので、僕達ももうそれを疑う余地はなかった。なぜそんな変な真似をするのか、その子細は誰にも判らなかった。判らないにつれてそこに又いろいろの臆説も湧き出して、尼に対する諸人の信仰も尊敬もだんだんに薄れて来た。僕の家ではその後も相変わらず米や銭を喜捨していたが、村の或る者はかの尼が托鉢の鉦を鳴らして来ても、顔をそむけて取り合わないのもあった。あるいは手を振って断わるのもあった。

こういう風に自分の村の信仰がだんだん剥落して来たので、尼は生活の必要上、かのすすき原を遠く横切って、専ら隣り村の方へ托鉢に出るようになった。隣り村ではかの尼をどう見ていたか知らないが、僕の村ではその評判がますます面白くなくなって来た。いたずら小僧はそのあとをつけていって、わざと犬をけしかける者もあった。ある若者は夜の更けるまで村はずれに忍んでいて、尼が石地蔵に取り縋りに来るところを確かに見とどけようと企てたが、それはみな失敗に終ったらしく、その後に尼の怪しい行動を見つけたという者は一人もなかった。