Classiques japonais avec furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lisez 探偵夜話 (たんていやわ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 363 caractères · 277 écrans
市兵衛はありのままを正直に申し立てると、同心は笑いながら言った。
「その騙りめはもう御用になっている。よく面を見ておけ。」
指さす方をみかえると、そこには一人のわかい男が厳重にくくられていた。浪人者の、やわら取りのというからは、どんな逞ましい強そうな男かと思えば、それはまだ廿二三歳の町人風で、色の小白い痩せぎすの、小二才とか青二才とかいいそうな、薄っぺらな男であったので、市兵衛も案に相違して、しばらく呆れてその顔をながめていた。
それから一旦引き退がって、市兵衛は若狭屋と一緒に正式の訴状を出した。和泉屋からはかの書状をも添えて差し出した。若狭屋からはかの書状のほかに、金を入れた袋をも差し出した。どちらの書状もその文言は一字も違っていなかった。和泉屋では金を取られたが、若狭屋では金を取られなかったのである。若狭屋ではかの手紙をなげ込まれて、いろいろ評議の末に、まずそれを家主に告げ、さらに名主に告げ、その処置について相談したが、それはおまえの料簡次第で、こちらからその金をやれともやるなとも指図は出来にくいことであると、名主はいった。それらのことで、夜もだんだんに更けてくるので、わずか二分の金を惜しんで万一の間違いがあってはならないと、誰の考えもおなじことで、若狭屋でも相手の注文通りに金の袋を出しておいたが、それ