Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

どんな話題にも、動作にも、そうした洗練や頭脳のよさが、誰の眼にも映るのである。――郷臭の濃い一族や、譜代の臣にはそれが気にそまないで、

「小賢しげな」

とか、

「智者ぶっておる」

とか、

「偽君子」

とか、とかく事ごとに、彼への毛ぎらいが、彼のいない所というと、口の端にのぼった。

自然、彼の君前のお覚えも、次第によくなくなって来たし、仕事もうまくいかなかった。元来、冷たい彼が、冷たい人々の眼にかこまれた形だった。

この際、義景が、特に彼を庇護すればべつだが、義景の周囲には、名族だけに、一門や重臣の隔ては多く、それに年々の一向宗の騒乱では、それと和睦したり戦ったり、藩情の複雑なことは、他国に例を見ないほどであるし、何よりも、光秀の顰蹙していたのは、主君の閨門のおさまらない点であった。

多くの寵妾をめぐって、君側の争いがからんでいるのだ。――これは何の縁故なく、一朝に身を寄せた光秀などが、どう憂いてみたところでどうにもなるものではない。

「……過った」

彼は、衣食に足りてくると、大きな悔いに悩みだした。

逆境を脱することに急いだがために、せっかく多年風波の大河と闘って渡って来ながら、その這い上がる岸を過った――と、後には怏々と楽しまない日ばかりを過して、