Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 757 caractères · 375 écrans

Aozora Bunko

と遺命をさずけて行ったほどであった。

その家の門に今日還る。天正十一年元旦の真夜半に帰ったのだ。感なきを得ない。

もしあの折――

大機を踏みまよい、長浜の妻子眷族に思いをひかれ、ここの一城に執着し、ここを、死すべし――の一図をもって踏み出しきれずにいたら、西は毛利の大軍に圧せられ、東は明智の強化も成って、ついに今日の帰趨は見られなかったことであろう。――と。

一箇の人の場合も、一国の場合も、興亡の境は常に、死生いずれへ賭すかにかかる。死中生あり、生中生なし。

彼を迎えた留守居衆から端々の召使までが、その夜、身を粉にしても、主人の剋ち獲たその尊い「生」をなぐさめようと争い努めたのはむりもない。

――が、秀吉は、休養をとるべく帰った様子でもなさそうである。本丸に入るやいな、旅装も解かずに、はや小出播磨や三好武蔵などの留守居衆をあつめ、

「ウむ、うむ。そうか。……いやよくしておいた。して、あの方は?」

などと、以後の中国情勢や、領下の諸事情を、きき耳たてる如く聴き、また問うべきことを、たて続けに訊ねた。

子の下刻。夜は深更なのである。終日のつかれもあろうに――と、家臣たちは自己の労を惜しむのでなく、主人の余りな精力が体にさわりはせぬかと惧れた。