Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lisez 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 240 656 caractères · 478 écrans

Aozora Bunko

六

すがりついた吉三郎の奥州を抱きかかえながら、ギョッとなって主水之介も目を瞠りました。

「おう! そちは!」

同時におどろきの声がはぜました。

誰あろう、十五郎なのです、血に包まれたその男こそは、今噂をしたばかりの下総十五郎だったのです。

六

血を見て、傷を見て、いたずらにうろたえるような退屈男ではない。主水之介は、しんしんと目を光らして、十五郎の先ず傷個所を見しらべました。

右腕に二カ所、左肩に一カ所、腰に一カ所、小鬢に一カ所、背の方にもあるらしいが、目に見えるは以上の五カ所です。

しかし血は惨たらしい程に噴いていても、傷は皆浅い。

「女! 焼酎を一升ほど持って参れ。なにはともかく手当をしてやろう。襦袢でも肌衣でもよい、巻き巾になりそうなものを沢山持って参れ」

諸事無駄もなく、また手馴れたことでした。

団十郎も手を貸し、吉三郎のおいらんも片袖をくわえて甲斐々々しく手伝い、血止めの手当が出来てしまうと、下総十五郎がまたすばらしく精悍なのです。

「焼酎がヒリヒリと沁みていい心持がいたしやす。ぶしつけでござんすが、景気づけに一杯呑ましておくんなさいまし」

激痛をこらえて、歪んだように笑うと、なみなみ注いだ大盃をギュウと一気に呑みほしながら、ぶるぶると身ぶるいを立てました。