Classiques japonais avec furigana
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しょくぶついちにちいちだい
植物一日一題
牧野 富太郎
Lisez 植物一日一題 (しょくぶついちにちいちだい) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 011 caractères · 312 écrans
君は作州津山の生れで、松平家の臣であった。明治三十九年(1906)七月に東京帝国大学理学部植物科を卒業し、直ちに日本の菌類を研究する途を辿っていた。その間洋行もし、内外多くの文献も集め、また実地に菌類標本も蒐集して研究の基礎を築いた。今はこれらの書籍、標本はみな遺愛品となって遺るに至ったが、遺族の方はこれを日本科学博物館に献納したと聞いた。私は斯学のためまた博士生前の努力のため、ひとえにそれを安全に保存せられんことを切望する次第である。
同君は自ら写生図を描くことが巧みであったので、他の図工を煩わすに及ばす、みな自分で彩筆を振った。書肆が競って中等学校の植物教科書を出版した華やかな時代には、同君に嘱して菌類の着色図を描いてもらいその書中を飾ったものだ。甲の教科書にも乙の教科書にもキノコの着色図版といえば、後にも先きにも川村君の腕を振う独壇場であった。
君には二、三の優秀な菌類図書が既刊せられてはいるが、その多年にわたって自身に写生してためたものをまとめて一書となし、まず同君最後の作として東京本郷の南江堂でこれを印刷に付し、ヤット出来上がった刹那、昭和二十年の戦火で不幸にもそれが灰燼となって烏有に帰した。