Classiques japonais avec furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans
それでも、二三の実例をあげてわかりやすく話したので、十四五分間はかかった。そのあと校長は、父兄の方に向かって自分の教育方針を話し、それで式は終った。
「りっぱな校長先生だな。」
式がすんで、校門を出ると、俊亮は次郎を顧みて何度もそう言った。次郎は嬉しかった。
*
翌日はさっそく始業式だった。
次郎が驚いたことには、組主任の先生に引率されて講堂にはいると、新入生の坐るすぐ右側の席に、もう五年生らしい生徒が高い塀のように並んでおり、その多くが、気味のわるい眼付をして、じろりじろりと新入生たちを睨めまわしていることだった。
次郎は、席につくと、頸をちぢめ、そっと隣の新入生にたずねた。
「僕たちの右の方に並んでいるの、五年生?」
「そうさ、五年生だよ。五年生の右が四年生で、三年生と二年生とが僕たちのうしろに並ぶんだよ。この学校では、一学期の始業式には、新入生との対面式があるんだから、いつもそうだってさ。」
隣の新入生は、いかにも物識り顔に答えた。次郎は、なぜかいやな気がして、それっきりうつむいてばかりいた。
やがて先生たちの顔がそろい、最後に校長がはいって来て、すぐに壇上に立った。