Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans

Aozora Bunko

巡視は当番制で、ほとんど大ていの先生に割当てられていた。その日の当番は朝倉先生だった。朝倉先生は、尊敬に値すると噂されている先生の一人だったが、一年の教室に出ないので、次郎は、まだ、しみじみとその顔を見たことがなかった。

先生がやって来たのは、次郎が三つボタンに対して最後の罵声をあびせ終って、まだ三十秒とはたたないころだった。

それを最初に見つけたのは、三つボタンだった。それは、先生が次郎のうしろの方からやって来たからである。

先生は、ほんのちょっと、次郎の一間ほどうしろに立ちどまって、二人の様子を見た。それから、默って二人の横に立った。

三つボタンは、もうその時には、すっかりうなだれていた。しかし、次郎はあくまで身構えをくずさなかった。

先生の眼は、すぐ次郎の小刀にとまった。しかし、やはり口をきかない。そして、その眼はすぐ三つボタンの顔にそそがれた。それからおおかた二分近くもたったころ、先生は、だしぬけに草深い地べたにあぐらをかきながら、重いさびのある声で言った。

「まあ二人とも腰をおろしたまえ。」

三つボタンはすぐ腰をおろした。が次郎はまだ身構えたまま、先生を見ていた。