Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans
俊亮は、その間に、店の者に命じて、蒲鉾だの、罐詰だの、パンだのを買い集めさせ、それをいくつにもわけて包ませた。ビールが何本か縄でしばられたのはいうまでもない。
「夕飯まえには帰って来るが、おひるは、何かですましておいてくれ。」
そう店の者に言って、みんなが家を出たのは九時近くだった。
お祖母さんのほかは、めいめい何か包をぶらさげていた。ビールは恭一と次郎の二人が捧につるしてかついだ。陽はもうかなり強く照りつけていたが、風があって、さほどの暑さでもなかった。みんなはいかにも楽しそうだった。お芳でさえいくぶんはしゃぎ気味だった。実際こんなことは、本田家はじまって以来の出来事だったのである。
むろん、誰も次郎をませっくれだなどと思っているものはなかった。次郎自身でも、さっきそんなことを自分で気にしたことなど、もうすっかり忘れていた。彼の眼には、おりおりお鶴の赤い日傘がちらついた。そして、今日こうして、みんなで大巷を驚かすのも、あの日傘がもとだと思うと、彼はまた「運命」というものを考えないでおれなかった。
彼は町はずれまで行くと、恭一に言った。
「きょうは何だか嘘みたいだなあ。