Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans

Aozora Bunko

すると門口から、背の馬鹿に高い、頭のつるつるに禿げた、真白な顎鬚のある老人がはいって来た。次郎は、一目見ると、それが母の葬式の時に来ていた人だということを、すぐ思い出した。天狗の面を思わせるような顔が、次郎の記憶に、はっきり残っていたのである。

老人は、そりかえるように背をのばして、大股に土間を歩いて行った。

次郎が、ぼんやり突っ立ってそれを見送っていると、つづいて三十あまりの年頃の女が門口をはいって来て、小走りに彼のそばをすりぬけた。彼はちらとその横顔を見たが、少しも見覚えのある顔ではなかった。色が白くて、頬がやわらかに垂れさがっているような感じの女だった。

彼は、しかし、その瞬間はっとした。そして吸いつけられるように、うしろ姿に視線をそそいだ。

「まあ、よくいらっしゃいました。さあどうぞ。父もたいへんお待ち申して居りました。」

お延があいそよく二人を迎えた。

「きょうはお延さんにお造作をかけますな。はっはっはっ。」

老人は肩をそびやかすようにして、そう言いながら、さっさと上にあがった。女の人は、上り框のところで、土間に立ったまま、何度もお延に頭をさげていたが、これも間もなく障子の向こうに消えた。