Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぶけわらじ

武家草鞋

山本 周五郎

Lisez 武家草鞋 (ぶけわらじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 835 caractères · 35 écrans

Aozora Bunko

九

ものなら、その責任の一半はすなわち宗方どのにもある、世間というものが人間の集りである以上、おのれの責任でないと云える人間は一人もない筈だ、世間の卑賤を挙げるまえに、こなたはまず自分の頭を下げなければなるまい、すべてはそこから始るのだ」

それはまるで頭上から一刀、ずんと斬り下げられた感じだった、伝三郎は五躰が竦み、そのまま奈落へ転落するように思えた。

「廉直、正真は人に求めるものではない」と老人は少し間をおいて続けた、「……そこにある文机をごらんなさい、三十余年も使っているがまだ一分の狂いもない、おそらく名もない職人が僅かな賃銀で作ったものであろう、その賃銀は失せ職人は死んでしまったかも知れない、だが机は一分の狂いもなく、このように今もなお役立っている、……真実とはこれを指すのだ、現にあなたも往復三十里の山道を穿きとおせる草鞋を作った、そこに真実があるのではないか、こういう見えざる真実が世の中の楔になってゆく、ひとに求める必要がどこにあるか、問題はまずあなただ、自分が責めを果しているかどうか、そこからすべてが始るのだ……」

九

老人の言葉はそこで終った。