Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lisez 死者の書 (ししゃのしょ) de 折口 信夫 (おりくちしのぶ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 340 caractères · 126 écrans

Aozora Bunko

山はずっしりとおちつき、野はおだやかに畝って居る。こうして居て、何の物思いがあろう。この貴な娘御は、やがて後をふり向いて、山のなぞえについて、次第に首をあげて行った。

二上山。ああこの山を仰ぐ、言い知らぬ胸騒ぎ。――藤原・飛鳥の里々山々を眺めて覚えた、今の先の心とは、すっかり違った胸の悸き。旅の郎女は、脇目も触らず、山に見入っている。そうして、静かな思いの充ちて来る満悦を、深く覚えた。昔びとは、確実な表現を知らぬ。だが謂わば、――平野の里に感じた喜びは、過去生に向けてのものであり、今此山を仰ぎ見ての驚きは、未来世を思う心躍りだ、とも謂えよう。

塔はまだ、厳重にやらいを組んだまま、人の立ち入りを禁めてあった。でも、ものに拘泥することを教えられて居ぬ姫は、何時の間にか、塔の初重の欄干に、自分のよりかかって居るのに気がついた。そうして、しみじみと山に見入って居る。まるで瞳が、吸いこまれるように。山と自分とに繋る深い交渉を、又くり返し思い初めていた。

郎女の家は、奈良東城、右京三条第七坊にある。祖父武智麻呂のここで亡くなって後、父が移り住んでからも、大分の年月になる。