Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ししゃのしょ
死者の書
折口 信夫
Lisez 死者の書 (ししゃのしょ) de 折口 信夫 (おりくちしのぶ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 340 caractères · 126 écrans
自然に、ほんの偶然強ばったままの膝が、折り屈められた。だが、依然として――常闇。
おおそうだ。伊勢の国に居られる貴い巫女――おれの姉御。あのお人が、おれを呼び活けに来ている。
姉御。ここだ。でもおまえさまは、尊い御神に仕えている人だ。おれのからだに、触ってはならない。そこに居るのだ。じっとそこに、踏み止って居るのだ。――ああおれは、死んでいる。死んだ。殺されたのだ。――忘れて居た。そうだ。此は、おれの墓だ。
いけない。そこを開けては。塚の通い路の、扉をこじるのはおよし。……よせ。よさないか。姉の馬鹿。
なあんだ。誰も、来ては居なかったのだな。ああよかった。おれのからだが、天日に暴されて、見る見る、腐るところだった。だが、おかしいぞ。こうつと――あれは昔だ。あのこじあける音がするのも、昔だ。姉御の声で、塚道の扉を叩きながら、言って居たのも今の事――だったと思うのだが。昔だ。
おれのここへ来て、間もないことだった。おれは知っていた。十月だったから、鴨が鳴いて居たのだ。其鴨みたいに、首を捻じちぎられて、何も訣らぬものになったことも。こうつと――姉御が、墓の戸で哭き喚いて、歌をうたいあげられたっけ。