Classiques japonais avec furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lisez 浮雲 (うきぐも) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 980 caractères · 222 écrans
口をきき出して、また旧のお勢に立戻ッた。
上野公園の秋景色、彼方此方にむらむらと立駢ぶ老松奇檜は、柯を交じえ葉を折重ねて鬱蒼として翠も深く、観る者の心までが蒼く染りそうなに引替え、桜杏桃李の雑木は、老木稚木も押なべて一様に枯葉勝な立姿、見るからがまずみすぼらしい。遠近の木間隠れに立つ山茶花の一本は、枝一杯に花を持ッてはいれど、々として友欲し気に見える。楓は既に紅葉したのも有り、まだしないのも有る。鳥の音も時節に連れて哀れに聞える、淋しい……ソラ風が吹通る、一重桜は戦栗をして病葉を震い落し、芝生の上に散布いた落葉は魂の有る如くに立上りて、友葉を追って舞い歩き、フトまた云合せたように一斉にパラパラと伏ッてしまう。満眸の秋色蕭条として却々春のきおいに似るべくも無いが、シカシさびた眺望で、また一種の趣味が有る。団子坂へ行く者皈る者が茲処で落合うので、処々に人影が見える、若い女の笑い動揺めく声も聞える。
お勢が散歩したいと云い出したので、三人の者は教育博物館の前で車を降りて、ブラブラ行きながら、石橋を渡りて動物園の前へ出で、車夫には「先へ往ッて観音堂の下辺に待ッていろ」