Classiques japonais avec furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lisez 浮雲 (うきぐも) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 980 caractères · 222 écrans
ト命じて其処から車に離れ、真直に行ッて、矗立千尺、空を摩でそうな杉の樹立の間を通抜けて、東照宮の側面へ出た。
折しも其処の裏門よりLetusgoon(行こう)ト「日本の」と冠詞の付く英語を叫びながらピョッコリ飛出した者が有る。と見れば軍艦羅紗の洋服を着て、金鍍金の徽章を附けた大黒帽子を仰向けざまに被った、年の頃十四歳ばかりの、栗虫のように肥った少年で、同遊と見える同じ服装の少年を顧みて、
「ダガ何か食たくなったなア」
「食たくなった」
「食たくなってもか……」
ト愚痴ッぽく言懸けて、フトお政と顔を視合わせ、
「ヤ……」
「オヤ勇が……」
ト云う間もなく少年は駈出して来て、狼狽てて昇に三ツ四ツ辞儀をして、サッと赤面して、
「母親さん」
「何を狼狽てているんだネー」
「家へ往ったら……鍋に聞いたら、文さんばッかだッてッたから、僕ア……それだから……」
「お前、モウ試験は済んだのかえ」
「ア済んだ」
「どうだッたえ」
「そんな事よりか、些し用が有るから……母親さん……」
ト心有気に母親の顔を凝視めた。
「用が有るなら茲処でお言いな」
少年は横目で昇の顔をジロリと視て、
「チョイと此方へ来ておくれッてば」