Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たきぐち

滝口

山本 周五郎

Lisez 滝口 (たきぐち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 49 815 caractères · 99 écrans

Aozora Bunko

いつでも語尾をはっきり云う少女だったが、と安宅は思った。

「今日はどうしてこちらへ」と安宅がきいた、「ああ、清法院はすぐ隣りでしたね」

さえは静かに顔をあげて安宅を見た。もとから浅黒い膚だったが、陽にやけたのだろうか、その小さな細い顔は小麦色につやつやとして、意志の強そうな眼や、ひき緊った口許はあのころの俤をそのまま残していた。杉の香が森のほうから爽やかに匂い、陽がかげった。すると頭巾をかぶったさえの顔が、青白むようにみえた。

「初めて山茶花が咲きましたので」と云いながらさえはまた眼を伏せた、「――御命日でもあり、お墓へ供えようと思いまして」

では亡き妻の墓参をしてくれようというのか、そう思って安宅は心が痛むのを感じた。心に痛みは感じたけれども、ふしぎに気持は軽くなった。――自分の誤解がもとで二人は別れ、そのあとお梶と結婚した。本来ならさえにとってお梶は恋がたきである、たとえお梶が亡き人になったとしても、女の気持としてはたやすくゆるせるものではないだろう。それをいまさえは墓参をし、供養しようとしている。安宅は気持の軽くなったのに気づくとともに、それまでさえのことが、そんなにも胸につかえていたのかと思って、われながらおどろいた。