Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たきぐち

滝口

山本 周五郎

Lisez 滝口 (たきぐち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 49 815 caractères · 99 écrans

Aozora Bunko

四

おりうとさえと対比しながら、益村はふと自分のことを思った。ぜんぜん反対な二人の女性のなかにいた自分が、どちらに対しても「自分」でいたし、現在も「自分」でいる、ということに、おどろきよりも自分の中にある非人情なものを強く感じた。

「そしてお梶だ」と安宅は呟いた、「――さえともおりうとも似ていない、お梶は黙っていて、黙ったまま死んでしまった」

男の一生はもちろん仕事であろう、けれども男に仕事をさせるのは「妻」であり、妻によって伸びも縮みもする。

「おりうなら留守役としての勤めを、安心してはたせるような支えになってくれるだろう」と益村は自分に云った、「――家中の評がどうあろうと、芳村という男がどうじたばたしようと、おれはおりうを放しはしないぞ」

だが彼の表情には、その呟きとはおよそ反対な、しかんだ色があらわれていた。

四

江戸へいった畠中辰樹から、八月のうちに手紙が二通きた。初めの一通は江戸をこきおろしたもので、冷静な畠中にも似ず、肩肱を張った文字で埋まっていた。――天秤棒で盤台を担いだ魚屋の二人伴れが、町を突っ走っていくという。横丁から呼びとめる女房などがあっても見向きもしない。