Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんじゅふじん

真珠夫人

菊池 寛

Lisez 真珠夫人 (しんじゅふじん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 289 296 caractères · 578 écrans

Aozora Bunko

彼女の云分

一

夫人の態度は、愈逆になり、愈々毒を含んでいた。

「それで、御用事と仰しゃるのはこれ丈!」

夫人は信一郎と一刻でも長く同席することが不快で堪らないように急き立てるように附け加えた。

信一郎は、夫人の自分に対する烈しい憎悪に傷きながら、しかも勇敢に彼の陣地を支えた。

「いや、大変お手間を取らして相済みません。が、もう一言、そうです、青木君の言伝があるのです。時計の元の持主にこう伝えて呉れと頼まれたのです。」

信一郎は、そう云って言葉を切った。

夫人は遉に、緊張した。やさしく烟っている眉を、一寸顰めながら、信一郎が何を云い出すかを待っているようだった。

彼女の云分

一

遺言と云っても、信一郎は青木淳の口ずから受けているのではない。が、彼は青木淳の死前の恨の籠ったノートを受け継いでいる。

『彼女の僅かに残っている良心を恥かしめてやる』べき、以心伝心の遺託を、受けているのだった。

「いや、遺言と云っても、外ではありません。この時計を返すときに元の持主にこう云って呉れと頼まれたのです。青木君が瀕死の重傷に苦しみながら、途切れ/\に云ったことですから、ハッキリとは分りませんが、何でもこう云う意味だったと思うのです。