Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんじゅふじん

真珠夫人

菊池 寛

Lisez 真珠夫人 (しんじゅふじん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 289 296 caractères · 578 écrans

Aozora Bunko

六

」

勝彦は、又黙って肯いた。

「お父様を、何うしてあんなにしたのです。何うしてあんなにしたのです。」

瑠璃子に、そう問い詰められると、勝彦は顔を赤めながら、モジ/\していた。もし勝彦が、聡明な青年であったならば、簡単に率直に、しかも貴夫人を救った騎士のように勇ましく、

『貴女を救うために。』と答え得たのであるが。

六

瑠璃子から、何と訊かれても、勝彦は何とも返事はしないで、たゞニタリ/\と笑い続けている丈だった。

老人の喜太郎は、張り詰めていた勇気が、急に抜け出してしまったように云った。

「仕様のない若旦那だ。こんな晩に東京から、飛び出して来て、旦那をとっちめるなんて、理窟のねえ事をするのだから、始末に了えねえや。奥様! こんな人に介意っているよりか旦那の容体が大事だ!」

喜太郎は、勝彦を噛んで捨てるように非難しながら、座敷の真中に、生死も判らず横わり続けている勝平の方へ行った。

が、瑠璃子は喜太郎のように心から勝彦を、非難する気には、なれなかった。口では勝彦を咎めるようなことを云いながら、心の中では此の勇敢な救い主に、一味温かい感謝の心を持たずにはいられなかった。