Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(七) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 330 262 caractères · 662 écrans

Aozora Bunko

「では、源太左衛門安綱が、御使の賢俊と薬師丸を、送って来るのか」

「さらに道誉の家臣、田子大弥太も干魚船の水夫となって、淀をまぎれ出で、海上これへまいる手はずとなっています」

「そちはなぜ、べつに?」

「万一のさいには、誰がわが殿へこれをお知らせいたしましょうか。それも思い、また一刻もはやくと、てまえは陸路をムチ打って先にまいったわけでござりまする。八幡、天の御加護もありましょう。今明中には、御使の一舟が、沖へ見えるに相違ございません」

ここまで聞くと、尊氏は初めて高い感激に体じゅうを耐えられない程なものにした。幼年からの愛臣介のことなので多くは口に出さないが「よくぞ。よくやった!」と見ている眼が、介へも映ってかっと彼の心を熱くさせた。無言のままで二人はつい涙ぐんでしまっていたものだった。

が、すぐ尊氏はたちあがって、

「幸い、こよいここを別れ去る諸国の大将どもへ、さっそくこの吉報を披露しておこう。またそちはただちに港の船をひきつれて、御使の迎えに行け。播磨灘の沖あいまで」

と、言いのこして去った。

やがてしばらくすると、彼方の広間なる大酒盛りの席が、一瞬しいんとひそまった。